おっぱい
 
誰しも趣味というものを持ち合わせているわけですが、私が趣味は何かと問われたら、禁煙と答えます。ある賭け事が実は大好きなんですが、それはもう趣味の範疇を越えて、生活の基盤を崩すものとなっていますので、趣味とはあまり呼べない気がします。ある時は電話代だのネット代だのつぎ込んで止められたり、またある時は家賃をつぎ込んで大家さんに電話して謝ってみたりとかしたことがあるわけですが、生き死にに影響を及ぼすようなものは、これはもはや趣味とは呼べないのではないかと思うわけです。

実際につぎ込むのはたばこ代くらいなものですが、実はこれが1番つらかったりします。私の経済基盤は非常に脆弱でして、そんなわけでやられる度に禁煙をしているわけです。けど考えたら禁煙は身体に良いわけですし、お金もかからない。これは立派な趣味と呼べるのではないでしょうか。

ところで最近は、いわゆる愛煙家が憂き目に遭っています。よそ様に迷惑をかけることもありますので、私は愛煙家という言葉は好きではありません。愛煙家は喫煙者と呼びたいと思います。で、その喫煙者が憂き目に遭っているわけです。確かに身体に良いものではなく、非喫煙者に害を及ぼすものですから、非難されても仕方の無いことです。しかしまるで喫煙者が人でなしのような風潮には少し参ってしまいます。最近ではさすがに街中では吸わないようになりましたし、吸いたい時には血まなこになって灰皿とか喫煙所を探します。はい、必死です。たばこを止める気はさらさらないので、とりあえず分煙は心がけています。

以前に比べて確かに喫煙者のマナーは良くなりました。私も世間の風当たりを受けるまでは、そこらでスパ、あっちにポイッ。ってな感じだったのですが、最近ではさすがに直ってきました。しかしそれでも風当たりは強いですね。「じゃあなんで売っているんだ」とか「税金多く払ってるんだ」とか「肺ガンで死ぬなら本望だ」とか「1箱1000円になったら止める」とか「煙吐かなきゃいいんだろ?」とか言うつもりはありませんが、大人しく吸ってるぶんには放っておいて欲しいです。実家の両親なんてひどいですよ。新聞にたばこの害を訴える記事とかあると、スクラップにして手紙で送りつけてきます。

あのですね、少しいたわりの気持ちとかあってもいいと思うんですよ。私たち喫煙者は、かわいそうなニコチン中毒患者なんですよ。ニコチンがないと生きていけないという、重病人なんです。ですから喫煙者に向かって「たばこ止めろ」というのは、赤ちゃんからおっぱい取り上げるようなもんなんです。ね、かわいそうでしょう。

おっぱいは我慢しますから、どうかたばこは取り上げないでください。
 
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