裸の王様
 
ロシアでの学校占拠テロやアメリカでの同時多発テロ、イラク戦争や湾岸戦争が記憶に新しいところです。古くはベトナム戦争や世界大戦、歴史上においてほとんど全ての戦争や紛争に共通していることがあります。それは何か。金と利権です。そしてその根底には、人間の欲というものがあります。

兄弟が居る方はよくわかると思うんですけど、「おにいちゃんのケーキのほうが大きいよ」とか「おまえにゃおもちゃ貸さないよ」とかあったじゃないですか。うちじゃ今でも年中ありますけどね。「わたしのアイス食べたでしょ!」とか「わたしのチョコ食べたでしょ!」とか。いつも私が彼女のお菓子食べちゃうだけなんですけどね。そういったものが兄弟や彼女彼氏なら単なるケンカで済むんですけど、これが国家と国家になると、決まってドンパチ始まってしまいます。国家元首だって小さい頃にケーキの取り合いしてるはずなんですよ。たとえ仲良く分け合えなくたって、お母さんが解決してくれたはずなんですよ。ところが国家同士だとあんまり仲良くできないんですね。国際連合っていうお母さんが出動しても解決できない。子どもの頃にできた仲直りが、どうして大人になるとできなくなるんでしょうか。悲しいです。

実際、戦争を支持する国民がいるからこそ戦争に踏み切れるわけですが、しかし賢明な国民ならば、反対して当然だと思うんですよ。国家元首が掲げるスローガンの裏には必ずが利権が見えるはずなんですよ。その利権が見えた上での支持ならば、それはひとつの考えですから非難はしません。しかし問題はスローガンだけを、体裁だけを鵜呑みにしてしまうことです。体裁なんてどんなに取り繕ったところで、所詮は裸の王様じゃないですか。フルチンで演説してる王様に群がって盛り上がってどうするんですか。フルチンですよフルチン。それともいくらかもらえるんですか。

人が、沢山死んでいきます。地下資源や国家のプライドのためにです。私は戦争を知りません。メディアを通じて見聞きするだけです。しかし人の死は知っています。とても悲しいことです。戦争は無くならないものだということも知っています。これも悲しいことです。私に何かできること、これといってないでしょう。せめてフルチンを支持しないことくらいでしょうか。

なんだか本当に悲しくなってきてしまいました。そういえば冷凍庫にアイスが1本あったと思うんですよ。とりあえずそれ食べて気分でも直そうかと思います。
 
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