死刑宣告
 
オカルトに左右される人生ってどんなもんですかね。4つしかない血液型で自分の性格を把握して、風水で部屋の装飾全部真っ黄色にして、星座占いで一喜一憂して、手の平のしわで寿命計って、終いにゃ高い壺買ったりして、そして厄年には1歩も表へ出ない。世の中広いですから、中にはこういう人も居るかもしれません。

この宇宙は古典力学、相対性理論(重力論)、量子力学とに支配されています。宇宙の始まりから普遍的なものであり、そしてこれらの理論で説明できないオカルト事項に関しては、説明できないのではなくそれは説明するに値しないことです。というのが非常にお固い科学至上主義みたいな私の考えなのですが、占いそのものはきちんと確立されている分野ですから、そのへんは受け取る側の気の持ちようではないかと思います。

朝早くにTVをつけていると、否が応でも星座占いを見る羽目になります。信じていないので最高の運気だろうが全然嬉しくないのですが、逆に最悪の運気だと宣告されると気分が悪いですね。信じている人はいいですよ、毎朝一喜一憂するのが楽しみなんでしょうから。しかし信じていない私にとってはものすごく気分が悪いです。朝っぱらから他人に「あなた今日最悪です」だなんて一方的に宣言されてしまうんですから。運気がどうのこうのではなく、こちらとしては垂れ流しの電波で朝っぱらからまるで捨て台詞を吐かれるのが面白くありません。信じていない私にとっては朝の星座占いは非常に鬱陶しいです。

何でそんなことに腹が立つのかと言いますと、ライターがやっつけで書いてるからです。「赤いスカーフが今日はGOOD」とか「オレンジジュースで運気UP」とか、どこにそんな浮ついた占い師が居ますか。占いの仕事請け負ってるライターから直接聞いたことがあります。「一応毎朝占い師からFAX来るんだよね。でもFAXには○とか×しか書いてないから、なんか面白いこと書かなきゃいけない。たまに占い師の○×無視して最悪の人作ったりしてバランス取ったり」。ということだそうです。古来より伝わる崇高な占いがライターの気分で台無しになっているわけで、そんなライターに「お前今日ツイてないよ」とか一方的に言われると面白くないわけです。

信じている人の中には多分、自分の星座のことを良く言ってるチャンネルに出会うまで回し続ける人も居るかと思います。で、そういう占いに当たったらTVを消してしまう。それこそ運悪くどこのチャンネルでも最悪だったら、今度は雑誌とか。信じている人のほうがなんか上手く立ち回れますね。だからといってこっちも同じように自分の星座のこと良く言ってるチャンネル探すことはできますけど、しかし捨て台詞吐かれたことには変わりないわけで、信じてないと損なんですかね。

朝やるからいけないんですよ。夜やればいいんですよ夜。夜中の12時直前に「あなたの運気は今日最高でした」「最悪でした」という感じです。「良いでしょう」とか「悪いでしょう」とか不確実なことは言わない。もう言い切ってしまう。言い切られたらほうはたとえその日に道端でうんこ踏んでても、「今日は最高」と言われたら「肥溜めに落ちなくて良かった」と納得。たとえ1万円拾ってても、「今日は最悪」と言われたら「100万円じゃなかったのかちきしょう」と納得。万事上手く運ぶじゃないですか。占いを深夜にやる気概のあるTV局はありませんかね。そしたら文句言わずに毎日だって見てもいいです。
 
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