赤ちゃんはコウノトリに運ばれていればいい
 
先日の参議院予算委員会でのことです。自民党の山谷えり子氏が「これを見てどう思いますか」と、見せたものが小学校3年生の教科書。それに答えて小泉首相「これはひどいですね」。その教科書がどこまで突っ込んで書いてあるのかはわかりませんが、とにかく性行為が図解で解説してあるんですね。ちなみに図解は正常位でありました。もうちょっと絵心があればまるでエロ本です。

18歳未満の青少年がエロ本を購入しちゃいけないってのに、学校で配るのはどうかと思いますよ。しかも配るだけじゃなくそれが教材なんですから、それを教材に何かを教えているのでしょう。あんなことやこんなことですかね。エロ本には教師は付いていませんけど、これは教師付きのエロ本ですからね。そうですか、だから性教育ですか。くたばってください。

小泉首相も言ってました。「私らの頃は知らないうちに一通り覚えていた」と。私は初めて小泉首相の答弁に感銘を覚えました。全くその通りじゃないですか。自然に覚えることは人類の繁栄が証明していますし、種の保存どころか人口爆発という問題まで抱えているわけです。もちろんこの教材は全国共通ではなく、一部の地域で使われていたものですが、当該地域の教育委員会は性教育そのものを明らかに履き違えています。子どもにセックスのやり方を教えてどうしようというんですか。放っておいたって勝手に覚えるんですから、本気で教えるのであれば避妊とか性病を教えたらいいんですよ。そこでセックスを知らない子どもから「なんのことだかさっぱりわかりません」と言われたら、「そのうち覚えます」って放っておけばいいんです。そうしておいたってお医者さんごっこは始めるんですから。

無知は危険です。無知は怖いです。ちょっと大それた言い方をさせてもらえば、教育とは無知との戦いです。例えを性教育にしてしまうと、どこからが性教育なのかという問題に当たってしまいますが(エロ本と教科書の区別が難しいように)、例えば識字率がわかりやすいと思います。先進国と発展途上国のそれは明らかに差があります。字を知らなければ投票もできないばかりか、自分を守ってくれる法律すら理解できません。国政に参加することさえままならないのです。たとえ国の税金で子どもにエロ本を配るという無茶な法律が出来上がろうとしても、反対もできないのです。

最近では、太陽がどの方角から昇ってくるかさえ知らない子どもが多いそうなんです。確かに一生知らなくたって生きていくことはできるでしょう。会社勤めするようになったって、会議の議題が「惑星軌道の予測とその誤差」で進められることなんてありません。教育教育と言いましたが、教えられなければ何もわからないというのも困るわけです。世の中に東西南北があるということを知れば、自然と太陽が昇る方角を覚えるか、覚えなくとも興味が湧いて知りたくなるのが知識欲ではないでしょうか。そうでなくてはそれは、人としての何か資質に欠けているとしか思えません。セックスばかりに興味持たせたって仕方が無いんですよ。

だからって教育が悪いとばかり叫んでいるのでは世の中が良くならないことはわかりきっています。私だって憂いているだけで何もできやしませんし、テキスト書いて不満たれ流しているだけですから。いっぺんセックスのやり方忘れてから、考え直してみましょうかね。
 
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