罵詈雑言
 
JR福知山線で酷い事故があり連日報道されています。事故の真相究明にはまだ多くの時間を必要とするようです。

例によってここで御託を並べるのは、報道についてです。
http://www.nikkansports.com/ns/general/f-so-tp0-050504-0015.html
この記事を読まれた方は多いと思いますし、ここ数日はこの報道一色という感がありますが、いずれリンク切れになると思いますので、簡単に記事の内容を書いておきますと、「JR西日本社員が事故当日にボウリング大会は不謹慎だ」という内容です。

的外れも甚だしい。得意の不謹慎報道です。日本人の気質でしょうか、すぐに「誠意を見せろ」的な議論に終始してしまいます。どこのヤクザですか。私はこの記事を最初に見た時、不謹慎にも腹を抱えて大笑いしてしまいました。ええ、不謹慎にもです。それはなぜならメディアの大喜びする姿が目に浮かんだからです。大衆の食いつきがよさそうじゃないですか。いかにも数字が取れそうな出来事じゃないですか。実際まさに入れ食い状態でしたけどね。

事故の事実の解明をしていたはずが、いつの間にかTV局は足並み揃えてゴシップ一色です。それに負けじとNHKまでもがです。ゴシップだったら専門誌の新潮とか文春に任せておけばいいじゃないですか。

社会的に認められているメディアが堂々と「不謹慎」と主観を述べているわけです。その点は新潮文春は、とても社会的に認められているとは言い難いので構いませんが、報道の主眼である真実を伝えるということと同時に主観まで伝えてしまっては、情報の受け手である我々に任せられている判断の余地を狭めてはいないでしょうか。

彼ら非番のぺーぺーばかりですよ可哀想に。社長や安全担当者がボウリングしてたら大いに不謹慎と糾弾するべきだと思いますけどね。安全認識に対する意識の欠如というJR西日本の体質批判であることに間違いはありませんし、そういった批判が結果として安全の向上に繋がることは確かでしょう。しかし参加したぺーぺー個人を批難するような論調はどうかと思います。

日勤教育は随分と批判されていました。日勤教育と称して会社人間を作っていたのがJR西日本の問題点のひとつじゃないんですか?それを今度は非番の行動は会社の都合に合わせろだなんて、こんな都合のいい批判がどこにありますか。視聴者受けだけ狙った一貫性のない報道です。私だったらボウリングに参加しますよ。嫌々ですけどね。不参加だったらどんな日勤教育にまわされるかわかんないですからね。身を守る術なんてあったもんじゃありません。会社からは強制や強要の一方で、「従わざるを得ない実情」と報道されていたのに、いざ強要が日勤教育ではなくボウリングとなれば自分が批難される。何したってメディアに叩かれるんですから、そのうち電車運転してるだけで不謹慎とか言われちゃうんじゃないですかね。

メディア先行型の世論形成、どうにかなりませんか。事故の本質を究明すべきが、とりあえずJR西日本叩いたほうが面白いんで、そればっかりです。本来なら、「本質の究明→JR西日本叩き」となるべきはずが、「ゴシップ探し→JR西日本叩き」ですからね。前者は安全に繋がりますが、後者は偏った正義振り回してお終いです。同じ叩くにしても悪意のあるなしでこれほどまでに違うわけで、だからってメディアのゴシップに毒された方々が多すぎるのも問題なんですよ。虫唾が走らないような、私向きの、出来事だけを淡々とたれ流す報道番組ありませんかね。

このままでいくと、「不謹慎!事故当日に嫁とセックス!」なんて記事を目にする日も近いと思われます。
 
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