シトシトシト


(冷たい雨)



シトシト  




         シトシトシト






(冷たい雨)      




天にまします我らの父よ  御名をあがめさせたまえ

御国を来たらせたまえ  御心が天にあるように

地にもなさせたまえ





草加雅人

1985〜2004





「真理……冷えるといけない。もう帰ろう」

「待って巧、もう少し……」

「さようなら、草加さん……考えてみると知り合ったのはほんの半年前なんだよね。
でも、決して忘れないよ……一生」






        シトシトシト


(冷たい雨)



シトシト          



「これはいったい誰の葬式かな」


「…………?」


「真理。無事だったか。よかった……
クリーニング店の方に先に行ったんだが、墓地で葬式をやっていると聞いたから探したぞ。

啓太郎、サイドバッシャーはどこだ?
潮風にあてたからな……洗ってやらないといけない」


「あなた……」

「まさか」


「なんだおまえ。場所をわきまえろ場所を!

ちょっと待ってろ、啓太郎。こんなヤツはな……(5・5・5)」



「乾ィ…………」






「きみの言葉にはウソが多いんだよッッ」

「草加アァ――――――ッ!!」

「うわああああ草加さんが生きてる――――ッ!!」



「ちょっと待て!

なんかみんなに話が通じていないようだな。

おれが海岸でドラゴンオルフェノクに吹き飛ばされ海に落ちた後、

運良く漁船に救助されたことも……

そのあと二週間ケガの治療をしていたこともみんな知らない……って解釈でいいのかな。

乾ィ! オートバジンに電報送っただろう!」


「で、電報……?」


「そうだ、受け取っただろう!」


「す、すまん。バジンは……バジンはァー!(ダダッ)」




「うおおおおっ!

それはいったいどういうことかなッッ」




「雅人……」
「草加さん……」







園田真理

真理はその後美容師を目指しアメリカへ移住
乾と草加に追い回されることになる


三原修二                     

阿部里奈とともに施設で孤児の支援を続けるが    
20XX年みんなに見守られながらその生涯を静かに閉じる


菊池啓太郎

菊池クリーニング店を、さらにクリーニング界を
大きく発展させたが20XX年に心臓発作で死去
生涯独身であった


琢磨逸郎

琢磨は苦労を重ねながら井上建設で建築学を修める
そしてオルフェノク初の建築家となる      


海藤直也

海堂は草加に再会することなく
照夫の面影を求め全国の孤児院をまわることとなる








そして時代は流れる
世代は交代する
仮面ライダーは……!









(ガンッ)


「ああ……い……うぅ」

「ぶつかっちまったーっ、痛かったかいおじさん!」


【東京・成田空港】


「困ったなぁ。向こうむいてるあんたが悪いんだぜーっ」

「いや、いいってことです。間違いは誰にでもありますよ」





…………?





「ちょっと待って。あんた井上監督か?」

「ああ、そうだけど」

「なら話は別じゃ!(ドガァ)」

「ギニャー!」

「フン!」








「うううぅ……仮面ライダーが誕生して30年、
なんで頭をラッキョにしてまで続編作らにゃならんのだ。
孫なんぞ藤岡弘のことを忘れちまっとる!
ゆるさん!
大切なライダーを
平成監督めッ!」




“アメリカ行き 15:08時発 
カリフォルニア555便にお乗りのお客様は
三番ゲートにお集まり下さい”




「でも、変身ベルトは好きだがね」

(カチャッ)








仮面ライダー555・完













元ネタ・ジョジョの奇妙な冒険第二部(12巻)