●「バージニア
南軍の船でもともと長さ84mの北軍の機帆船「メリマック」の焼け残った船体を利用して作られた船です。水面に出ている部分と言えば傾斜した壁に囲まれた構造物に一本の煙突が突き出ているだけでマストも何もありませんでした。

この構造物の中には大小10門の大砲が据え付けられ、鉄で被われた70センチ余りの厚い壁で敵の砲弾から守られていました。

最近のステルス性を取り入れた軍艦も、レーダー電波と鉄の砲弾の違いはあるものの、弾きかえすために傾斜した壁が効果的な方法として使われているのは面白いことです。

この模型のプロポーションは実物に近くなっていますが部分的には同じではありません。

●船首に取り付けられた衝角。(実物は楕円形で675kgの鉄で出来ていたそうです)
戦いの1日目に体当たりで北軍の帆船を沈めました。
実物の船首デッキには波除板がついていました。
●船体の下半分と舵、スクリューは「メリマック」のものをそのまま使っています。
船尾デッキの上の出っ張りはラジコンの操舵装置のカバーで実物にはありません。
●メカはラジコンカーのものを利用しています。隙間に乗せてあるものは吃水を下げるための重りで排水量は1000g近く、浮かべると吃水はデッキすれすれになります。
●砲室の天井は換気と明かり採りのために格子になっていました。この上に小さな大砲も乗っていたそうですが省略しました。手前の円筒形のものは操舵室で4ケ所の細い覗き窓が開いています。実物は円錐形をしていました。

NEW
●電動モーターをやめて新たに製作したスチームエンジンを積み込んで本来の「バージニア」に生まれ変わりました。

外観で変った所はエントツとガンデッキの天井、本物にはありませんが側面の吸気口です。

船内はとても狭かったので大幅に拡張工事をしてボイラーやエンジンが納まるようにしました。

特にガンデッキから上はムクだった所を削り込んでなるべく広い空間を作りましたが、エンジンテストをしてみるとやはり換気に問題があってしかたなく側面に吸気口を開けました。

蒸気を吐き出して走る姿はとても良いのですが、こんどはバックできなくなってしまいました。

やはり可変ピッチペラが必要かも・・・・。

●機関室は、奥からラジコン用電池、バーナー、ボイラー、ピストンバルブエンジン、その後ろに操舵装置、右の壁には受信機が納まっています。

エンジンのシリンダーには後で排気管を取り付けました。排気効率が上がるだけでなく水滴がはやく抜けるので始動が楽になります。

●15cc小型ボイラーは小さいですが水管、炎管、スーバーヒーターを備えた本格派です。 ●エンジン、水滴溜タンク付ボイラー、スクリュー、バーナーです。バーナーは気化式になっています。

「モニター」
こちらは北軍の軍艦で長さは52.4mあり「バージニア」より小さめで、こちらも吃水が深くデッキは水面すれすれでした。
もともと「モニター」も「バージニア」も河川用に作られたもので、波をかぶれば簡単に沈んでしまいそうです。

写真では左が船首でデッキの上にはいくつかの出っ張りが付いていますが、船首よりの台形の箱は操舵室で細い覗き窓がついています。
中央の円筒形のものは砲塔で360度回転させることが出来ます。その後ろにある2つの箱は煙突で戦闘中ははずしてしまうそうです。

下の写真の船尾側デッキ上のものは操舵機のカバーで実物にはありません。

●砲塔は高さ2.7m、直径6.5mで20センチ以上の鉄板でかこまれ、中には27センチ砲が2門入っていました。この大砲は砲塔自体が回転するのでどの方向にも向けることができました。
●メカはオモチャのラジコンで操舵用には別のオモチャからはずした遠心クラッチを使っています。
●2隻を並べてみると大きさや形の違いがよくわかります。
●「バージニア」
喫水線はこのくらい、速度はもっと遅かったようです。
●「モニター」
喫水線はデッキすれすれで波をかぶるほどだったとか。
●ハンプトンローズの戦いを再現してみました。
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