「必要は発明の母」「発明は1%のひらめきと99%の努力」などと言われますが、ここに登場する船たち?は、19世紀前後に「必要」と「1%のひらめき」と多分「99%のロマン」だけで大真面目に作られたけど結局使い物にならなかった船たちです。今日なら「クレィジー!」とか言われて決して実現することはないでしょうが、この船たちを見ていると「これこそ人間の作った物」と思ってしまうのですが.....
●「シガー」は1858年、アメリカで作られた55mの蒸気船で、紡錘型の船体のまん中にタービンの様なプロペラを付けて30ノットで走るつもりだったらしいです。実際にどう走ったか記録がないので模型を作り、船体中央部の強度、反トルク、舵利きなど予想とどう違うのか確かめてみました。反トルクの実験用にラジコンの「シガー1」、その結果を踏まえたスケール「シガー2」の2隻を作りましたが、さらにスチームエンジンを積んだ「シガー3」を計画中です。
●「ノブゴロド」はロシアのポポフ中将が企画、1874年に進水しました。船体は中央に砲台を載せた直径31mの円盤型で、どの方向でも大砲が発射出来る上、さらに6コのスクリューで自由に移動出来るはずでした。.....が、実際は方向も定まらずクルクル回るメリーゴーラウンド状態でその上風の便りに、晩年は岸につながれ倉庫替わりにされたとか.....オ、オヨヨヨ...
模型は4コのスクリューで走るラジコンにしましたた。いくらなんでもお皿のままでは....と、船底にキールを2本入れました。.... が、
●「ローラーシップ」は1896年、フランスで作られた画期的アイデアの船でした。6コの巨大な車輪型フロートで現代の双胴船の様に船体を水面から離し、30ノットでドーバー海峡をつっ走ろうとしたのです。....が、操縦性が悪い上予定の速度がだせなかったとかで実験船だけで終わったようです。模型を作ってまず連想するのは船というより6輪のトラックで、船尾のスクリューを見るとよけい頭が☆◎、「※▼*?.....になりそうです。いっそのこと車輪に水掻きをつけて水陸両用車にしたほうが成功したかも......
●「デラウェアクイーン」1786年、ジョン.フィッチがアメリカ初の蒸気船をデラウェア川で走らせました。12.3mの船体に12本のパドルが取り付けられ蒸気機関で動くようになっていました。
パドルは交互に水を掻いて船を進めるはずでしたがエンジンや機械装置が不完全なため計画通りにはいきませんでした。このパドルを動かすリンクは動きが面白そうなので少しアレンジして作ってみました。はたしてうまく走るのかしら???
NEWバージニアとモニター」1862年、アメリカ南北戦争のさなか「バージニア」と「モニター」という2隻の変った船が誕生しました。この2隻はロマンというより必要にせまられ、それもわずかな時間のなかで急造された軍艦でした。戦いは2日間だけで勝負は引き分けでしたが、
後の軍艦の形や戦い方を大きく変えるものになり、歴史に名を残すことになったのです。2隻はその後2度と戦うことは無く、「バージニア」は自沈、「モニター」は嵐で沈没とそれぞれ違う道を歩んだそうです。デフォルメとオリジナルな部分を加えてこの2隻を作ってみました。
「ヘラクレス」帆走から蒸気機関へ、木造から鉄製にと過渡期につきものの試行錯誤の結果「作ってみなけりゃわからないよ!」ということでいろいろ面白い船が作られました。
「ヘラクレス」は実在の船ではありませんがこの時代似たような軍艦がゾロゾロいたようです。
軍艦という特殊な目的で何でもありというところから自分でも作ってみたくなりました。
名付けて「帆走、外輪、スクリュー推進式 衝角付モニターおバカ戦艦ヘラクレス」
何も言わなくてもこれで一体何をしようというのでしょうか???
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